私は、うちの会社の場合、「ハード」と「ハート」の
両面が必要だと思っている。私の言う「ハード」とは、作業環境のことだ。
その中でも、今回は屋根の話を書く。
毎年のことだが、2月から3月にかけて工場には強烈な北風が吹く。
北側に風除けのあるところもあるが、まともに北風を受ける場所もある。
おがくずや砂ほこりが来て、目にゴミが入った人も多い。
残念ながら、作業環境としては劣悪と言わざるを得ない。
このことを、私は社員の皆さんに対し、大変申し訳なく思っている。
昨年、作業環境を改善すべく、シートハウスを建設した。
雨よけ、風よけという点で一定の効果はあったが、
まだ改善すべき点は多いし、まだまだ屋根を必要とする場所はある。
今年4月から「品確法」という法律が施行される。
住宅の構造に関する部分(柱、梁、土台等)については10年間の
瑕疵(欠点のこと)保証が義務つけられる。
ということは、柱や梁などの構造材にはまず生材(未乾燥材)は
使えないだろうと言われている。乾燥材(KD材)を在庫しておく
必要がある。従って、より広い屋根が必要だ。
作業環境改善と、材料を濡らせないという両面で
「屋根のない材木屋は負け」の時代が来ている。
どんな屋根をつくればいいか、各業者を呼んで研究した上で、
うちの会社にとって一番良い形の屋根をつくりたい。
それが、作業環境の改善、ついては会社全体の改善につながると
信じている。
「ハード」が改善されたら、次は「ハート」だ。
私が屋根をつくりたいと思っている理由の一つに、
「作業環境を改善することで会社全体の士気を上げたい」と
いう気持ちがある。
現在の会社の雰囲気は必ずしも良いと言えない。
それは、年齢構成が50代以上と20代に偏っていることも
あるだろうが、作業環境の劣悪さにも原因がある。
これからの時代は生き残りをかけて各社が戦う時代だ。
そのときに、社内の士気が上がらない会社では心もとない。
うちの会社、財務は確かに強い。財務の強さが会社の士気に
結びつくように経営するのが私の役目。財務だけでなく
「ハート」も一級品でありたい。そのための第一弾として
屋根をかける。社員の皆さんも「これをやったら会社のためになる」
と思うことがあったら、遠慮なく言ってほしい。