「コンビニ弁当は包装のゴミが出るので持ち込み禁止、
手弁当か外食にしなさい」というマンション工事現場が実際にある。
今、建築現場では「ゴミを出す」ことにとても敏感だ。
「分ければ資源、混ぜればゴミ」を合言葉にして、ゴミ分別の種類が
どんどん増えている。10種類以上ゴミ箱がある現場も珍しくない。
しかも、ゴミの量が多いほど処理費用をとられるため、出すゴミの量を
いかに減らすか、各ゼネコンはあの手この手の手段をとっている。
その一例が「コンビニ弁当持込禁止」だ。
当社の場合、今までは、焼却炉があるからゴミが出れば何でも燃やせば
いいやと思っている部分があった。しかしそれも、もうできなくなってきた。
先日、工場の近隣に住む人が事務所にきて、「悪臭がするので工場の中を
見せて欲しい」という申し出があり、工場内を回って寮の横の古い焼却炉の
ところへきて、「この臭いだ。これが発生源だ」と言って帰った。
古い焼却炉では超仕上げの鉋屑とペーパーラップ(木材に被せてあるラップの
こと)、PPバンド等を主に燃やしているが、特にペーパーラップを
燃やしたときに悪臭が出る。ペーパーラップは塩ビではないので、
ダイオキシンが発生するわけではないが、燃やしたときに出る煙の中に
環境ホルモン(スチレンダイマー)が入っている疑いがある。
もう、ペーパーラップを燃やすことはできない。先月、カナダへ行った際に
「もうペーパーラップはやめてくれ。既にあるペーパーラップは
返却するのでよろしく」と各製材工場で言ってきたが、
先方の受け入れ態勢が整うまで、しばらく保管しておくしかないだろう。
各購入先別に分けて、たたんで保管しておき、各問屋さんや新木場15号地に
帰る車に乗せて返すことになる。
当社でのゴミの分別はお寒い限りだ。不燃ゴミ用のゴミ箱が
自転車置場横にあり、空き缶入れが旧事務所の横にあるが、
不燃ゴミ用のゴミ箱に空き缶が入っていることが多い。
見るたびに空き缶用のゴミ箱に移すが、すぐ横に空き缶入れがあるのに
分別できないとは情けない。
これからの時代、材料を売るだけではなくて、工場内で出るゴミ、
売った後のゴミのことまで考えないと商売ができなくなってきた。
ありがたいことに、木材はゴミになりにくい。粉砕して鋸屑と
同じ大きさにすれば、養豚農家や清掃用として需要がある。
超仕上げの鉋屑については、粉砕機で粉砕して、プレーナー屑と同じ
大きさにして、まず大型焼却炉で燃やすことにする。古い焼却炉を
近い将来、大型焼却炉も廃止して、鋸屑と同じくらい細かくできる
粉砕機を導入し、焼却をやめる方向に動く。