脱塩ビの動きは少しずつ出てきたが、
オレフィンシートや強化紙のラッピングに変わっただけで、
ムクの木材には戻ってきていない。
だが、ここに来て意外な援軍が現れた。それは、「ペット対応」だ。
JR京葉線で東京駅から3つ目の駅「潮見」駅前に
来年3月入居予定で都市基盤整備公団が145戸の賃貸住宅を建てる。
これが、公団初の「ペット共生住宅」として話題になっている。
現在、公団が賃貸住宅を建てる場合には、額縁は木材に塗装し、
内部枠は強化紙貼りにすることが多いが、
今回、潮見では額縁だけでなく、内部枠も全てムクの木材になった。
理由は、ペット共生住宅では猫が枠に爪をたてたりして、
強化紙では破れてしまうからだ。
私も、「打倒塩ビ」対策としていろいろなことを考えていたが、
ペットのためにラッピングからムクの木材に変わるとは予想だにしなかった。
意外なところに落とし穴があったものだ。
旧総理府が昨年6月、全国の成人計3000人を対象に行った
「動物愛護に関する世論調査」に、4割前後の人がペットについて
「家族の一員と同様に、ともに生活する世帯が増える」
「老後のパートナーとして重要性が増す」と答え、
集合住宅でのペット飼育を容認する人は
59・8%と前回(1990年)より16・5ポイント増えた。
こうした機運を受け、「ペット共生」を売り物にする
マンションの建築が増加。民間の不動産経済研究所によると、
昨年1年間で東京では4111戸▽神奈川・1951戸
▽千葉・236戸▽埼玉・139戸が売り出され、
過去の統計はないものの「前年の10倍以上に増えているのは確か」という。
(平成13年3月23日付「毎日新聞」より)
「ペット共生住宅」は大きな流れになりつつある。
潮見公団が全部ムクの木材を採用したことは、大きなチャンスだ。
お客様からも、「是非ムクの木材を復権させたい。
潮見で良い材料を納めて、やっぱりムクの木材が良いと
言われるようにしたいのでよろしく頼む」と言われている。
良い材料を納めて、猫にも爪をたくさんたててもらって、
ムクの木材がいい、ラッピングはダメだと言われるようにしよう。