いろいろなことがあったが、どうやら大きな引っかかりもなく、
多少の増益で終わりそうだ。
塩ビを代表とするラッピングが全盛となり、
住宅の「木離れ」が進む中で、
同業他社は売上を大幅に減らし、
また、引っかかりも相次いだ。
同業他社の転廃業が相次ぐ中、前期とほぼ同じ売上で、
まずまずの決算の見通しがたったのは大変ありがたいことだ。
先日、北本事業本部で社長が朝礼で話したとおり、
「運がいい」ということもあるが、
単に運がいいだけではなく、過去、諸先輩が築いてくれた
お客様という財産の質がよかったということだと思う。
業績をあげるために日夜努力してくれた
社員の皆さんに心から御礼申し上げる。
しかし、5月1日から始まる来期の環境はとても悪い。
まず、大手ゼネコンの倒産が出る可能性がかなり高い。
詳しい説明は避けるが、会計制度の変更があり、
今まで表に出さなくて済んだ含み損を
表面に出さなければならなくなった。
特に不動産で巨額の含み損をもつゼネコンが数社あり、
おそらく今年中に法的処理がされるだろう。
ゼネコンが倒産すれば、ゼネコンから仕事をもらっている
当社のお客様への影響が大きい。
お客様の中でも倒産するところが出てもらっては困るが、
出てしまう可能性は十分ある。
次に、為替レートが円安に進んで仕入れを圧迫しそうだ。
今、日本の景気回復のためには1ドル=140円の円安も
やむなしという風潮が出始めている。
円安は仕入れ単価を間違い無く押し上げる。
特に、来期に予想される円安は今までよりも大幅なので、
売り単価のあげられない今、利益額を大きく圧迫してしまう。
最後に、デフレ傾向がより強まる。
デフレとは、お金の価値が下がることだが、その根底には、
日本の総人口が減少に向かうことがある。
人口が減ると、土地の需要が減る。
かつては、土地を持っていれば地価が上がり、
資産が増えていったが、今度は、地価が下がっていくので、
資産が減っていく。
仮に、分譲マンションや建て売り住宅を購入すると、
地価が下がっていく場合には資産価値が下がってしまい、
含み損を抱えることになる。
含み損をかかえてしまっては大変だから、住宅を購入する人が減る。
こうして、デフレは住宅着工数を減らす原因になる。
以上の3点を考えると、来期の環境はとても良くない。
この環境下で、現在の工場の体制を維持するために、
今期もお客様の数を増やしてきたが、
来期もお客様の数をもっと増やしていくしかない。
これは、第一事業部もランバーターミナルも同じことだ。
もちろん、お客様を増やす一方で、既存のお客様に
変わったことはないかどうか訪問してチェックすることも大切だ。
状況は厳しいが、当社が業界で生き残る
最有力候補であることも間違いない。
社員の皆さんは、連休にしっかり体を休めて、
連休明けに元気な顔を見せてほしい。