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HOME > 社長の一言(旧常務の一言) > 2001年8月 「なまけものカナダ人」の将来
2001年8月 「なまけものカナダ人」の将来

今年も8月9日から19日までカナダに行って来た。

この時期カナダに行くと、現地の人々の間で「バケーション(休暇)の計画は?」
という話がよく出る。ヨーロッパへ行くという人もいたし、
身内の結婚式に出るという人もいたし、何もしないという人もいた。

もちろん、私と、同行した東京木材企業㈱の上田さんにも同じ質問が来た。
上田さんにとっては「バンクーバー・バケーション」、私にとっては、
「シアトル・バケーション」だと答えた。(週末、シアトルにマリナーズ戦を
見にいってきたので)

何といっても、外国では電話がかかってこないのが大きい。
携帯電話のない世界は全然緊張感が違う。
毎日、少しでも安く仕入をしようと製材工場を回っているわけだから、
バケーションというのはジョークだが、買う側として行くのだから、
自分のペースで行動できる。日本国内にいる時のようにギリギリの
スケジュールを組むことがないので、時間の流れ方がゆったりしている。
一年に10日間だけだが、ゆったりとした時間は本当に貴重だなあと
カナダとアメリカにいる間じゅう、毎日感じていた。

カナダでは金曜日の午後3時になるとほとんどの製材工場は操業を
止めてしまう。金曜日の午後はあまり仕事をしないものだと
考えている「なまけものカナダ人」が多い。(そうでない人もいるが)
夏のバンクーバーは夜九時くらいまで明るいので、金曜日に限らず、
平日、会社が終わってからゴルフへ行くことができる。
晴れた日なら夕方で27度くらい。湿度もないし、蚊もこないので
ゴルフをするには絶好の環境だ。街中のレストランには室内の席だけでは
なく、パティオと呼ばれる室外席があり、屋外で食事を楽しむことができる。


アフター5を過ごすには、ほんとうに恵まれた環境だと思う。
定年後はバンクーバーで過ごしたいという人気があるのもうなずける。

だが、バンクーバーがあるBC州最大の産業、木材業界は絶不調だ。
ドーマンの担当者はこれから半年の間に対日本向けの製材工場のうち
6つくらいが閉まるだろうと言っていたし、新聞のトップ記事として
「カナダ木材業界で14000人のレイオフ(一時解雇)が予想される」
という見出しが出ていた。在庫を見に行った工場の中にも、
動いていない工場がいくつかあった。

ここまで落ち込んだ一番の原因は、カナダ木材業界が国際競争力を失ったからだ。
一言でいえば、北欧との産地間競争に負けてしまった。

かつて主力であった日本向け輸出は、北欧から来たホワイトウッドにとられて、
大きく落ち込んだ。米栂を柱に使うことはほとんどなくなってしまった。
第一事業部が主に扱うクリアー材にしても、塩ビにマーケットをとられて
しまい、作っても売れない状態だ。
(「今どき、カナダまで米栂クリアー材を買いに行く製材工場は希少価値だ」
 とまで言われた)

それに追い討ちをかけるように、アメリカ向けに19.3%もの関税が
反ダンピング関税としてかかりそうだ。カナダ木材業界は約2割の価格上昇分を
自分で吸収することはまずできない。採算がとれないのなら、工場を閉めるしか
ない。従って、レイオフの大量発生が避けられないという図式だ。

私は、カナダ木材業界はこれまで恵まれすぎたのだと思う。
豊かな天然資源、そして日本やアメリカなどの大きな市場を背景に、
大きな利益を得て、豊かな生活をしてきたが、産地間競争に負けた今、
「なまけものカナダ人」気質ではビジネスがさらに縮小してしまうのでは
ないだろうか。

来年もカナダへ行くことになれば、今年とはかなり違っていることは間違い無い。
日本もカナダも大変であることに変わりはないとつくづく実感した。

投稿者 無垢材・造作材の木村木材工業(株) : 2005年05月02日

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