「1月末に不渡りを出しますので店を閉じます。
もう材料は供給できません」との連絡があった。
以前より、経営がよくないことは知っていたが、いよいよ来たかという感じだ。
私事だが、本社の隣のおもちゃ屋さんも昨年末に店を閉じた。80年続いた店だったが、
今年に入ってからはシャッターを閉じたままだ。
これらの例を見てもわかるように、変化に対応できない者は倒産または廃業という
形で商売を閉じることになる。当社のお客様の中でも倒産または廃業するケースが
出ることはまず間違いないだろう。自分に影響がでないと人間はピンとこないものだが、
影響が出てからでは遅い。会社としても対応策をたてて実行しているが、
取引先の動向には十分注意してほしい。
この不況がどういう形で収束するかわからないが、体力のない業者が減った後は
有力な業者が市場を寡占(かせん)することになる。業界の勢力地図がガラリと変わる。
将来残ると思われる取引先には今から足場を作っておいて、現在よりも
より強い地位を後世のために作る。それがこの変革期に必要なことだ。
過去、こんな極端な時代はなかっただろうが、先輩たちは現在の商売の基礎になる
お客様との関係を築いてくれた。今度は、将来のためにより多くのお客様との
関係を作るときだ。それが、自分たちのためにもなるから。