安値受注合戦も変わっていないし、赤字のお客様が大半であることに
変わりはない。そんな中、あるお客様の社長さんに
「自分の会社にとって採算の合わない値段を他社が出して来た場合、
木村さんならどうする?」と聞かれたことがある。
私は、「採算が合わないのならその仕事はとりません」と答えたのだが、
「木村さんは業界が違うからそういう考え方なんだろうな」と言われてしまった。
今の仕事は大工でなくてもできる仕事がほとんどだ。一人前の大工でなくても
できる仕事を追いかけていたのではいつまでたっても価格競争にさらされる。
だから、そのお客様の会社は「大工でなければできない仕事」を狙っていく
とのことだった。
木工事業界の場合は上記の考え方になるが、現在第一事業部が行っている
マンション工事現場向け納材の仕事では、どういった差別化が可能だろうか。
私はその答えの一つがJAS(日本農林規格)ではないかと考えている。
実際、新しいJASへの移行作業をやってみるとよくわかるが、
今度のJASはいままでのJASとは全然違う。とにかく膨大な作業量を
要求されるので、今までJAS認定工場だった所も新しいJASに移行する
ところは10分の1以下と言われている。
(埼玉の場合、現在JAS認定工場は33社あるが、新しいJASに移行する
予定なのは当社を含めてわずか3社しかない)
公団、県住等の公共工事の場合、JAS認定工場でないと材料を供給できなくなる。
来年4月以降の公共工事に対しては新しいJASが武器になることを期待している。
現在、JASの移行作業にたずさわっている社員の皆さん、
本当にごくろうさま。皆さんの膨大な作業量が報いられるよう、
宣伝に力を入れます。
もう一つ、他社にできないだろうと考えているのが、
赤松一等材の3000×40×30を立てて乾かすことだ。
現在、赤松丸太の供給は非常に少ない。2.7Mや3Mの材料は
供給不足気味で、11月は入手するのも難しい状況が予想される。
また、マンション工事現場では40×30の主力が4Mから3Mに
変わりつつある。4M材では振り回しが効かないのと、
4M材が載らないリフトしかない現場が増えたからだ。
従って、同業他社は3000×40×30が入荷したら
すぐに出荷せざるを得ないだろう。入荷したての材は
立てると水が出てくるくらい水分が多い。
そこへ、当社が3000×40×30を立てて出せば、
同業他社と差がつけられるのではないか。
私も先頭にたって、材料と場所のある限り、3000×40×30を
立てて、お客様に乾燥した材料を出すことで他社に差をつけたい。
これから年末にかけて仕事量が増える。くれぐれも体調を崩さないように
体調管理に気をつかってください。