著者は枝廣 淳子(えだひろ じゅんこ)さん。
枝廣さんは、もともとは専業主婦だった。夫のアメリカ駐在をきっかけに、
英語を勉強しようと一念発起して英語をマスターし、現在では同時通訳者・翻訳者・
環境ジャーナリストとして活躍している。
この本のタイトルだけを見ると、「早起きのすすめ」のようにとられるが、
実際の内容はそれだけではない。一言で言うと、「どんな自分になりたいか、
自分の目的地=ビジョンを決めて、あせらず、くさらず、たゆまず目的地に
向かって進むにはどうしたらよいか」という仕組みについて書いている。
せっかくアメリカに駐在するのだから、英語を勉強して同時通訳になろうという
思いつきを実現してしまった枝廣さんの実行力には、ただただ驚くばかりだが、
本を読んでみると、最初に「同時通訳になる」というゴールを設定して、
夢の内容を細かく分析し、何ができればゴールに達したことになるか、そのために
必要な技術(スキル)は何か、その技術を身につけるためにはどうしたらよいか、
実によく研究され、実行されている。このやり方を「バックキャスティング」と
呼ぶそうだが、英語だけではなく、自分たちの分野にも充分使えるやり方だ。
もちろん、夢を実現するためには、勉強するためにまとまった時間がいる。
枝廣さんの場合、まとまった時間をつくるために「朝2時起き」が
とても有効に使われている。(夜寝るのは8時から8時半くらいだそうだ)
夜起きているよりも、その分を朝やってしまったほうが効率がいいことを
頭でわかっている人は多い。ても、なかなか実行に移せないのが現実だ。
実行するためには、自分の目的地=ビジョンをいかに生き生きさせるか、
どれだけ自分の腑に落ちた内容になっているかで実行できるかどうかが決まる。
私の場合、目先の目標は「自社の工場と加工屋さん3組が食べられるだけの
仕事を取ってくること」だ。第一事業部は過去の諸先輩の皆さんが築いてくれた
基盤のおかげで、自他ともに認める日本一の無垢造作材工場になった。この基盤を
将来、無垢復権の時代が来るまで何としても維持したい。そのためには
工場と加工屋さん3組が食べられるだけの仕事量を取ってこなければならない。
仕事量を取るためには、できるだけ多くのお客様を訪問すること。
お客様を訪問する時間をとるために、事務や準備を朝やってしまいたい。
そのために朝4時起きをして、始業前に準備をしている。
社員の皆さん、人生の目的をもっていますか。
目的をもって、それに向かって進む人生はとても張り合いがある人生になりますよ。
なお、「朝2時起きで、なんでもできる!」を読みたい人は、本を奥野くんに
渡しておきますので、奥野くんに連絡してください。