ごくあたりまえのことだが、期のスタートというのは
気持ちを切り替える上で大切な時だ。
振り返ってみれば、53期は「主要取引先の支払い延期=新規納入ストップ」
という非常事態から始まった。
第一事業部の売り上げは、5,6,7月と前年比10%以上のマイナスとなり、
このままでは前年比大幅売り上げダウンが見込まれ、先行きが危ぶまれた。
しかし、9月の声を聞くと流れが変わった。今期、初めて買って頂いた
お客様から大型物件のご発注を相次いで頂き、一時は加工屋さんが
間に合わない事態となるほど仕事量が増えた。
12月には5月から12月までの売り上げの合計が前年を超えた。
「瞬間風速でいいから前年同月までの売り上げ合計を超えたい」と
思っていたら、現実になった。
今期の第一事業部の売り上げは、前年とほぼ同じになる見込みだ。
同業他社が大幅に売り上げを減らす中で、前年とほぼ同じ売り上げが
確保できたことは、大変有り難いことだ。従業員の皆さんに
厚く御礼を申し上げる。本当にありがとう。
さて、来期はどうなるのか。
市場全体の仕事量はさらに減ることが予想される。
今期は新規のお客様からご発注を頂いたことで、既存のお客様の
落ち込み分をカバーしたが、来期もまた新規のお客様を獲得して
既存分の落ち込みを埋めたいと考えている。
そのために必要な姿勢は何か。私から一つの提案がある。
それは、「相乗効果」を出すこと。
早く言ってしまえば、他部門の力を使うこと。
木材業界広しといえど、山林伐採と造作材製造とプレカットを
一つの会社でやっている会社はとても少ない。(ゼロではないが)
他部門の力を使えば、商売の幅を広げることができる。
実際、今期はKLT本店の在庫(スプルス、アガチス等)を
大いに使わせてもらった。納期のない時に、KLT本店の在庫を
使って造作材を間に合わせることができたのは本当に助かった。
また、山林部の得意先から杉材や桧材を大量に仕入れて、第一事業部で
加工し、得意先に納入した。おかげさまでまずまずの商売だった。
来期は、他部門の力も借りて業績を向上させることを考えてみてほしい。
うちの会社はまだまだ他部門の力を使いきっていない。
他社との差別化に、他部門の力を使わない手はない。