先月、「信頼関係のないところに良い仕事はない」という話を書きました。
毎月、社長の一言を書いたあと、社内でどんな受け止められ方をしているか、
時々個別に感想を聞き、また、社内の反応を注意してみています。
感度の高い人には原稿の内容を納得してもらっているなと思うことが多い反面、
感度の低い人には私の書いている趣旨が
理解されていないなと感じることがよくあります。
それでも、私は書き続けることを止めません。
継続することは必ず力になると信じていますし、ただ書くだけでなく、
いろいろな場面で私の書いた原稿に対する意見を聞くことによって、
理解してもらえることもあります。
また、私も自分で変えなければならないところもあると思います。
ですから、社員・関係者の皆さんに私が個別に意見を聞くことがあると
思いますので、そのときは自分自身が感じるところを教えてください。
さて、これまで、どうやったら現場の意向に合わせることができるかという観点で社内を
変えてきました。昔よりは現場の意向に合う形になってきたと感じていますが、最近、
建築現場へ行くと、当社の社内の変わり方以上に現場が変化しているなと感じます。
一例を挙げます。マンション建設現場では外国人労働者が急増しています。
軽鉄屋さん、ボード屋さん、クロス屋さんの3業種では多くの外国人労働者が働いています。
増えた理由は、日本人よりも賃金が安いからです。
職人さんの賃金をこれ以上削るわけにはいかない。だが仕事の単価はますます安くなっている。
結果、外国人労働者の雇用が増えています。
2年前の社員旅行で宮崎県の製材工場を見学したときに、外国人が働いているのを見た人も
多いと思います。現場も、製材工場も、コスト削減のために行動していると考えてください。
(当社では外国人労働者を雇用する予定はありません。念のため書き添えます)
最近、社内で「余裕をもった納期にしてほしい」という言葉を複数の場所で聞きました。
人員が減った中で、納期が短くなってきている。だから余裕をもたないと納期が守れないと
いう発想から出た発言だと思います。与えられた納期を守りたくないと思う人は一人もいません。
だから、納期に余裕がもてないのかと思う気持ちは、自己防衛本能を考えても、
工場の中にいれば、自然と出てくる発想です。
だが、お客様の立場に立って考えてみたらどう思うでしょうか?
「自分が工期も予算も削られて、段取りの悪い中で何とか仕事をしているのに、工場だけ
余裕をもった納期にしろとは何事か?どれだけ納期を縮めてくれるかが勝負なのに。」
というのがお客様の本音だと思います。
工場の中にいれば自然と出てくる発想も、お客様から見れば、抵抗勢力と見られてしまう
場合があります。自分で、抵抗勢力になろうとする人は一人もいません。
しかし、結果として社内の行動がお客様から見て抵抗勢力になってしまっていることは
残念ながらあります。私自身も結果として抵抗勢力になってしまったことがあり、反省しています。
先月も書きましたが、建設現場では工期がますます短くなり、単価も削られてきています。
お客様の状況が変わっているのですから、当社の対応も当然変わらなければなりません。
現場の考え方と社内の考え方にかなりの差があることを認識してください。
与えられた状況下で、どうやったらお客様に満足していただくだけでなく、社内の仕事を
円滑に回すことができるか、これが私に与えられた大きな命題です。私自身が直接関わる
仕事においてお客様と工程(外注先も含みます)の双方にできるだけの配慮をすることは
当たり前ですが、私が直接関わらない仕事でも、関係する社員の皆さんが、どうやったら
お客様、工程の双方にとって良い仕事ができるかを考えながら仕事のできる体制を作りたい。
「経営に対する信頼感」と「仲間に対する信頼感」の双方があれば会社は成り立ちます。
会社の体制を変えたいという志をもつ有志を求めます。是非一緒に変えましょう。
投稿者 無垢材・造作材の木村木材工業(株) : 2006年09月29日
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コメント
投稿者 jepax : 2006年10月25日 02:00
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