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HOME > 社長の一言(旧常務の一言) > 2008年10月「引き算ではなく、足し算の考え方がいい。」
2008年10月「引き算ではなく、足し算の考え方がいい。」

今月は経済が大きく変動した月でした。為替相場にしても、株式相場にしても
これほど激しく変動したのを私は見たことがありません。いったいこれから
どうなってしまうのだろう?と思っている人も少なくないでしょう。

不景気になると、余裕がなくなってきます。「貧すれば鈍す」といわれるように
業績があがらなくなった会社では、考えが小さくなって、思い切ったアイデアが
生まれにくくなってしまいます。

そこで、私が今月この場で書きたいことは、不景気だからといって
引き算の考え方をせず、足し算の考え方をしてほしいということです。
引き算の考え方とは何か。
それは、「自分にとって都合の悪いこと、かかわりたくないことからは逃げよう」
という考え方です。
不景気になると、給料は上がらない(むしろ下がるかもしれません)のに、
一人当たりの仕事量が増えてしまうことがよくあります。
そうなると、自己防衛のために引き算の考え方をする人が増えます。
これは会社全体にとって、とてもよくない傾向です。

引き算の考え方をしていると、よく出てくる言葉は
「知らない」「聞いてない」「自分は悪くない」といった言葉です。
責任感のある人、逃げない人ならばこんな言葉は使いません。
本当に知らなければ知ろうとするでしょうし、聞いていなければ
「それはどういうことですか。教えてください」と関心を持って聞くものです。
「知らない」「聞いていない」を連発する人は、相手に
「何てこの人は器が小さいのだろう」と思われていることを知るべきでしょう。
特に、部下や後輩が上司に相談をしたときに、
「私は関係ない!(そのことに関わりたくない!)」という姿勢に近い
この言葉を聞くと(もちろんその時の言い方にもよりますが)、
相談、お願いをしに行った人はかなりがっかりするはずです。
ですから、上司、先輩社員の皆さんは、部下、後輩社員に対して
こういった言葉をあまり使わないことをすすめます。
「知らない」「聞いていない」この言葉を聞いた瞬間、部下、後輩は、
口でこそ言わないものの、心の中では「あー、この人に言わなければよかった」
、「この人はなんて無責任な人なんだ」と思うでしょうから、
仕事の現場では、周囲、他人に与える影響を考慮しながら言葉を発したいものですね。
私も注意します。

では、この状況下でどんな考え方をすればよいのか?それは、足し算の考え方です。
いいかえれば、「お役立ちの精神」といってもいいでしょう。
人間、誰でも「人の役に立ちたい」という気持ちがあります。
「役にたったよ。ありがとう」と言われれば誰でも嬉しいものですし、
考え方が前向きになります。
お客様に対しての「お役立ちの精神」も大事ですが、周囲に対しての「お役立ての精神」
も私は大事だと思います。「こうやったらもっとよくなりそうだ」
「ここに手を加えたらもっとよいものができるのではないだろうか」という発想のもとに、
誰に言われるでもなく、他人の見ていないところで、会社の中を良くしていこうとして、
手を加えている人がうちの会社にもいます。私は、その人たちに心から拍手を送ります。
この考え方をしていれば、どんな時代でも生き残っていけると思うからです。

足し算の考え方と、引き算の考え方。誰でも両方の考え方をもっていると思いますし、
社内にも両方の考え方があります。ただ、業績のあがらない会社になると、どうしても
引き算の考え方のほうが強くなってしまって、足し算の考え方をしている人の思考が
萎えてしまう。そんな会社にはしたくないですし、一人でも足し算の考え方をする人を
増やして、会社全体の考え方をなんとか前向きにもっていきたい。
それが今の心境です。

投稿者 無垢材・造作材の木村木材工業(株) : 2008年10月31日

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