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HOME > 社長の一言(旧常務の一言) > 2012年6月「情報洪水に流されない自分をもつ。」
2012年6月「情報洪水に流されない自分をもつ。」

2000年1月から毎月書き続けている「社長の一言」も、今回で150回目です。
12年半もの間続いたのは、締切直前に入稿した原稿を、印刷して給料袋に封入し、配布
してくれた社員の皆さんや、毎回読んでいただいている社員・関係者とその家族の皆さん、
そしてインターネット上で読んでいただいている読者の皆さんのおかげです。
毎回読んでいただき、ありがとうございます。あらためて御礼申し上げます。

さて、150回目にふさわしい話題を提供したいと考え、最近私が強く感じていることを
書きます。それは、「情報洪水に流されない自分をもつ」です。

インターネットの出現、パソコン利用による事務の効率化、最近ではスマートフォンの
登場など、情報機器の進歩により、世の中は格段に便利になりました。日常生活の中で、
「便利になったなあ」と感じることは、誰にでも数多くあるでしょう。とにかく反応が
昔とはけた違いに速くなり、時代の変化も、加速しているように感じます。

その一方で、便利さは個人が扱う情報量を劇的に増やしました。5年前、10年前には
とても考えられなかった情報量を、日常業務の中でも、生活の中でも扱っています。
私たちは情報洪水の中で生きているといっても過言ではありません。

情報量が増え続けたことは私たちの心理にどんな影響を与えたのでしょうか?
個人差はあると思いますが、増え続ける情報量に対応していこうとする人と、
「とてもついていけない」とあきらめてしまう人に分かれてきているように感じます。

また、すぐ結果が出ないものに対して「あきらめが早くなった」ことはありませんか?
仕事でも、日常生活でも、すぐに結果が出ないことは数多くあります。大きな仕事を
するときや、大きな変化が伴うときには、すぐには結果が出ないものですが、
情報洪水の中では、何でもすぐに結果が出るのが当たり前という
錯覚に陥ることがよくあります。

本当に価値のある物事を成し遂げるには、時間がかかります。すぐに結果が
出ないからといって、即席で結果が出るものを求めるのは、
物事の表面だけで判断するようになり、本質を見誤りやすくなってしまいます。
特に、テレビやインターネットサイトなどは、すぐに結果が出るので考えずに済む、
楽な方向に流されやすい、手ごわい誘惑です。

大事なことは、情報洪水に流されるのではなく、自分の信念をもって、ありたい姿に
向かって進むことです。自分のありたい姿を実現するために、情報を入手し、自分で
考えて、ありたい姿に向かって実行する。そして、実行するための時間を、自分でつくる。
単純ですが、この視点を忘れないことが、自分の人生の将来を明るい方向に向けます。

情報機器の進歩はとどまるところを知りません。この流れが続くとすると、将来、個人が
扱う情報量はさらに増えることは確実だと思われます。その一方で、個人が扱える情報
量や時間には限界があります。情報量は、個人の能力を超えてさらに増え続けることで
しょう。増加する情報量に立ち向かう姿勢を学校で教える時代になったのかもしれません。

便利さは、妥協点を上げるためにあります。便利になった結果、本来やらなければ
ならないこと、時間がかかるけど大事なことに手が回らずに、妥協点を下げてしまっては
本末転倒です。便利さに流されてはならない。その意識をもつことが大切です。

情報洪水の中で生きるには、情報を自分の意志で、自分の目的に沿う方向に向けて
制御し、自分で考えて実行することが必要だと考えます。皆さんも、増え続ける情報量の中で
生活する姿勢を、考えてみてはいかがでしょうか?  

投稿者 無垢材・造作材の木村木材工業(株) : 2012年06月29日

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