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HOME > 社長の一言(旧常務の一言) > 2017年2月「『退化』ではなく、『成長』を。」
2017年2月「『退化』ではなく、『成長』を。」

私が今止めなければいけないと思っているもの、それは「心の荒廃」です。

世の中は10年前に比べて格段に便利になりました。一昨日には圏央道が開通して、
湘南海岸から成田空港まで都内を通らずに高速道路で行けるようになりました。スマートフォンの地図アプリを使えば、渋滞状況や新しくできた道路を考慮して道案内をしてくれます。みなさんも日常生活の中で「便利だなあ」と感じることは数多くあるでしょう。 

便利さは個人が扱う情報量を飛躍的に増やしました。人間、自分の関心のあることには目がいくので情報量の増加は自分の関心事に使う時間を増やします。その反面、関心のないことに使う時間を減らして、自分が意識しない限り関心をもつ範囲を狭めようとします。

関心をもつ範囲を狭めて自分の関心のある範囲だけで暮らそうとすると、自分の身の周りに対する関心も薄らいできます。関心の薄さはやがて無関心となり心の荒廃を招きます。
鍵山秀三郎さんが著書の中で「心の荒廃は諸悪の根源」と書いていますが、私も同感です。
世の中が便利になることは、無意識のうちに心の荒廃を招いているように感じます。

成長期のこどもは、毎日学校でいろいろなことを覚えて帰ってきて、成長を実感します。
しかし成長期を過ぎた私たち大人は、自分で意識しない限り成長することはありません。
自分の関心のあることに時間を使う一方で自分の範囲を狭めていけば、むしろ「退化」していきます。自分を退化させようとして日々暮らしている人はそうはいないでしょうが、成長を意識して行動しない限り自分で気づかないうちに退化してしまう人が実際には多いのではないでしょうか。
仕事に関しても同じことが言えます。情報量が増えて便利になると個人が扱う仕事量が増え、仕事の範囲も広くなります。時代の変化が速くなり、今までにやったことのない仕事も出てきます。その時に「自分の成長につながる」と思ってやってみるか、「自分の範囲ではないからやらない」と考えてやらないでいるかが「成長」と「退化」の分かれ目です。

 私は、会社は社員が成長するための舞台だと考えています。社員・関係者の皆さんに成長していただくために、関心の範囲を狭めるのではなく拡げる方向に向けるのが会社として取り組むことです。

 具体例として、今月も北本事業本部で一斉清掃を行いました。人間の気持ちは見ているものに影響されます。普段とは違う場所の清掃を全員で取り組み、自分たちの手できれいになったものを見て私たち自身が清々しい気持ちになることも目的ですが、身の回りに対する関心を持っていただくことも目的です。部署の関係なく、社員・関係者の皆さんが自発的に動いて一斉清掃が進むのを見ていて、とても嬉しく感じました。

 「退化」ではなく、「成長」する。会社が社員とともに成長できる舞台にする。そのためにも、私たちは関心の範囲を拡げることを意識していきましょう。

投稿者 無垢材・造作材の木村木材工業(株) : 2017年02月28日

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