桜満開の季節になりました。宮崎良文教授の研究によると、森林浴をすると気持ちがリラックスして血圧が下がるのですが、桜だけは例外で桜を見た人の血圧は上がるそうです。桜は見る人の気持ちを高揚させます。私たちが花見に行きたいと思うのは単にきれいだからだけではなく、華やいだ気持ちになりたいという理由もあります。一年に一度、季節を感じさせてくれる桜を見ると日本人に生まれてよかったと思います。
さて、今月は話を聞く姿勢について書きます。私が木材関係の研修会やパネルディスカッションに参加するときは、最前列で聞きます。後ろで聞いていると、話の内容から遠くなりやすく気持ちが入らないからです。最前列で話を全身で聞く心がけで聞いていると、講演者がこちらを向いてくれる回数が増えます。
私がパネルディスカッションを聞くときには、話の内容だけでなくテーブルの下に見える下半身の動きを注意してみています。パネルディスカッションで他のパネリストが話しているときに、下半身がどんな動きをしているか。足を投げ出す人や足を組む人は、他のパネリストの話を聞く姿勢ができていないなと思いますし、他のパネリストが話しているとき、姿勢を崩さずに全身で聞いてメモを取る人の発言内容はさすがだなと感じさせるものです。
話を全身で聞いていると、話の内容に気持ちが入っていきます。聞く姿勢は話す相手に敏感に伝わります。この人は私の話を聞いてくれているのか、そうでないのかを話す側は瞬時に感じ取ります。私も講演をする機会をいただきますが、講演していると、聴き手が話を聞いているかいないかはすぐわかります。話にあいづちをうってくれる、反応を示してくれる聴き手を見つけると、その人を意識して話すようになります。
人は話の内容だけを聞いているのではなく、聴き手の全身の姿勢を感じ取ります。皆さんが話を聞く姿勢は少なからず相手に影響を与えます。相手が気持ちよく話してもらうために話は全身で聞く。話を全身で聞くようになると、自分の話を聞いてもらえるようになっていきます。自分の話を聞いてくれる人の話は聞きたいと思うからです。
森信三先生の遺した言葉に、職場再建の三大原則「時を守り、場を浄め、礼を正す」があります。礼を正すとは、相手より先に挨拶をする、呼ばれたら大きな声で「ハイ」と返事をすることを意味しますが、私は「話は全身で聞く」を付け加えたいと思います。
話を全身で聞く姿勢は誰にでもできることですが、書くことはできても実践するのは簡単ではないことは百も承知しています。相手の話を全身で聞く姿勢をとっても、気持ちが入らずに聞いても、その場では何もかわらないかもしれません。しかし、人生は薄い紙一枚を積み重ねるようなものです。話を全身で聞く姿勢を我慢強く続けていれば、相手の気持ちに影響しますし、ついては会社全体の気持ちに良い影響を与え、長い間には大きな差になって初めて気づくようになります。
皆さんの人生がよくなってほしいという願いをこめて「話は全身で聞く」をぜひ実践していただきたいと思います。もちろん、私は皆さんにその姿勢をみてもらえるように気持ちをいれて皆さんの話を聞いていきます。
投稿者 無垢材・造作材の木村木材工業(株) : 2018年03月30日
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://shizensozai.net/cgi/mt/mt-tb.cgi/263
コメント
コメントしてください
|