今月、岩手県盛岡市で「木の良さを伝える」テーマで講演をしました。3か月前に講演の依頼をいただきどんなお話しをしようかと考えている中で、ふと思い浮かんだテーマが「木の良さを伝える」です。木材業界人としては当たり前ですがすぐには答えが出ない
テーマです。
結論から書くと、私は木の良さを伝えるためには、気持ちの良さを伝えることが大切だと考えます。
気持ちの良さには二つの側面があります。一つは木材が持つ心地よさです。木材を使うと気持ちが落ち着いて心身の健康に良い影響があると感じられますが、なぜ健康に良いのか証拠を示して説明することが今まではなかなかできませんでした。
しかし、木材がヒトに与える影響の研究が進み、科学的な証拠が次々と出てきています。
「だから木材は健康に良い」と証拠を示せば、より説得力のある説明ができます。
もう一つは木材の担い手である私たちの気持ちの良さに共感していただくことです。
陶芸家・河井寛次郎さんの言葉「物買ってくる、自分買ってくる」が示している通り、
私たちがモノを買う行動はその店に対する人気投票であり、自分自身の性質の表れです。
気持ちの良さに共感していただくためには、自分の心に塵がつもっていないかどうか
常に注意しなければなりません。もし心に塵があるならば、塵を取り払えば見えてくる
ものがあると私は考えます。
たとえば、なにか自分に不都合なことを言われたときに、逃げようとしたり、自分を
正当化しようとすると、その結果として問題から遠ざかってそのままにして自分の問題は
解決されないままになります。
でも、「わかっちゃいるけどやめられねぇ」のが人間の本質です。だからといって
あきらめるのではなく、本質と向き合っていけるかどうか、堕落しない人生を選べるか
どうかが私たちの人生を良くも悪くもします。
目先の好都合ではなく、将来の好都合を考えて行動していれば、その場はよくないかも
しれませんが将来にはかならず良いことが訪れます。「その場しのぎは必ず大きくなって
自分に戻ってくる」のが方程式です。
私は会長から「逃げるものは大きくなる。向かっていくものは小さくなる。」と常々言われてきました。実体験から考えても、まったくその通りだと思います。
トーマス・カーライルは「人生の問題を解決するには、まず針箱を整理せよ」といいます。まずは身の回りからきれいにしていけば、おのずと問題が見えてきて解決する方向に
気持ちも向かいますし、結果もついてきます。
木材の良さを伝えるために、気持ちの良さを伝える。そのためにはまずは身の回りからきれいにしていく。森信三先生がおっしゃっている通り、人生二度なし です。社員の皆さんに、一度しかない人生を悔いなく生きていただきたいと心から願います。
投稿者 無垢材・造作材の木村木材工業(株) : 2018年04月27日
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