今年の春先から表面化した第3次ウッドショックは、構造材の価格を急騰させました。現在も構造材の価格が高止まりしたまま続いています。当社が主に扱う無垢造作材についてもいくぶん価格が上昇したものの、東南アジアから供給される樹種を除けば供給量に対する不安は今のところありません。
しかし、私は近い将来ウッドショックが内装材にも波及すると予測しています。内装材の原材料として主に使われているMDF(中比重木質繊維板)と集成フリー板の供給量が減少していて、日本国内の在庫不足が発生すると予想されるからです。
将来がどうなるかは誰も答えをもっていません。コロナウイルスの感染拡大がどうなるかは誰にもわかりませんし、ウッドショックもどのように収束するかは誰にもわかりません。現代は予測不能の時代です。
そんな時代にどのようにして対応していったらいいのでしょうか。私は、仮の予測をたててみて、実際にものごとが発生したら修正していくしかないと考えます。仮の予測をたてて準備しておくことは大切です。それでも予定通りにならないことはいくらでもあるでしょうし、対応の修正を迫られる局面がたくさん出てきます。
対応の修正を迫られたときに、周囲といかに協力できるかが大切だと考えます。私たちの周囲には多様な強みと背景をもった人たちがいます。どれだけ広い範囲で協力をお願いできるかが大切です。自分と必ずしも同質ではない相手の背景や心に配慮して、対話によって未来を創造する力があれば、予測不能の時代にも対応できると考えます。
S様邸で実現した無垢材でつくる大型パネルができたのは、事前に準備してあったからです。2018年12月に早稲田大学で行われた大型パネル公開施工実験を見学して、無垢材で大型パネルをつくる場合の問題点は寸法精度だと気づき、4面背割りなら寸法精度の問題を解決できると考え、製材工場に「大型パネルの案件が出た時にはよろしくお願いします」と話していました。実際に大型パネルの希望が出たときには少なからず驚きましたが、準備してあったから実現したのです。
対話によって未来を創造する力をつくっていくためには、多様な強みを持った人との交わりを自分から求めて行動していくことです。自分と考え方が必ずしも同じではない人と交わることこそが、最も重要な成長と学習の機会になります。
私は一生に一度しかない局面が近い将来訪れると思っています。まずは心の準備をしておいてください。何が起こるかは予測不能ですが、変化はチャンスだと前向きにとらえて行動すれば、私たちにとって「よかった」と思える結果が出ると確信しています。
投稿者 無垢材・造作材の木村木材工業(株) : 2021年09月30日
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